こんにちは。ピアノスクールかなでのかなです。
ピアノの練習というと、「音を聴くこと」が中心だと思われがちですが、
私は時々、「鏡を見ながら弾いてみて」と伝えることがあります。
なぜなら、自分の姿勢や手の動き、表情など、“見えていない自分”には思った以上にたくさんのヒントが隠れているからです。
例えば、背中が丸まっていたり、肩が無意識に上がっていたり。
腕の重さが鍵盤にうまく伝わっていない弾き方になっていたり。
顔の表情が固まっていて、音にも力が入りすぎていたりすることもあります。
「音がかたい」と思っていた原因が、実は肩や手首の動きだったということもよくあるんですね。
私自身、鏡を見ながら練習をしたことで、
お尻の重心のかけ方や姿勢のクセに気づいたり、体の重さがどう鍵盤に伝わっているかをイメージできるようになった経験があります。
演奏を“見る”ことで、弾き方そのものが変わることがあります。
フォームを直すためというよりも、演奏の意識を“客観視”する感覚に近いかもしれません。
そして、ここにもやはり音楽的な要素があります。
表情豊かに弾きたいなら、自分の顔が表情を作れているかを見る。
優しい音を出したいなら、自分の手や体がその動きになっているかを見る。
これらはすべて、耳だけではつかみにくい「動きの質」と「音の質」を結びつける作業です。
自分の演奏を、“弾く人”としてではなく、“見る人”として見てみる。
それだけで、音の出し方が少し変わってくるかもしれません。
かな