小林愛実さん ピアノコンサートの感想2024

こんにちは^^ 「かなでショパンピアノスクール」のかなです。

小林愛実さんのピアノコンサートに行ってきました。

小林愛実さんの演奏は2021年のショパンコンクールで聞いて感動していたので本当に楽しみにしていましたが、期待を裏切られることなく本当に素晴らしい演奏でした。

小林愛実さんは2015年でもショパンコンクールに出演しており、その時と2021年のショパンコンクールの時の演奏と最近の演奏とでは芸術性の違いが大きく見られます。私は2021年のショパンコンクールの演奏に圧倒させられてから彼女の大ファンになりました。特にショパンのプレリュードの演奏は素晴らしかったです。ショパンコンクールに行っていた友人によると、彼女のプレリュード後はスタンディングオベーションが長時間続いていたそうです。

さて、今回の福岡でのコンサートのプログラムも演奏も大変素晴らしかったです。

曲目は私の大好きな「シューマンの子供の情景」全曲と、昔卒業演奏で練習に練習を重ねたショパンのアンダンテスピナートもあり!ぎゃあ!

とにかく何がすごいかというと、テクニックはもちろんのこと、とにかく徹底した曲の構成、ビルドアップがすごい。

具体的に感じたことは、音色の美しさや多彩性、デュナーミク、テンポを引きのばし、常に弱音を意識し、いい意味でも悪い意味でも聴き手に緊張感を強いる演奏が多かったこと。

緊張感が生まれるというのはいい意味で言うと、ワクワクするという意味でもあり、弱音、特に左を相当抑えており、その上で、じわじわと盛り上げていくまでの時間に常に好奇心をそそられっぱなしでした。

とにかく綺麗な多彩な小さい音の連続が綺麗。特に左手が一貫して本当に小さくて、音の粒を完全に揃えて弾きこなしており、テクニックももちろんすごい。ここまで小さいと右手のメロディや、いざという時に注目させたい音が本当にキラキラ響く。これは昔の愛実さんの演奏と比べると一番の変化ではないでしょうか。

構成力という意味では、じわじわ感動までの道のりを引き伸ばす演奏が素晴らしかった。これはクラシックに限らず、良いミュージシャンに共通することですが、ここぞという時の盛り上げるタイミングの取り方が上手。

このタイミング=間の取り方、アクセント、あとは最後の曲の締め方も音をよく聞いており、それはルバートとというよりかは一貫した間を上手につかう。聴き手をストーリーの中に引き込んでくれます。

この間を上手に使うことで、彼女のモダンなセンスも感じられた。彼女のミニマルでモードなセンスの洋服の感じにも雰囲気のあった演奏とも感じ取れました。クラシックでもモダンなおしゃれ感じられる演奏って私大好きです。

とにかく小さく美しくを基本ベースに、かっこいいだすところをきちんと見極めて出してくるタイミングが素晴らしい。

この繊細に繊細を重ねた暗闇を長く上手に作りあげてくれているおかげで、じわじわ内面からとてつもない感動が突然やってきました。

それだけでなく、狙いを定めたアクセントにより内面からゾクゾクと感動が押し寄せてきます。

この感覚はドイツやロシア音楽を思い出す瞬間も多かったです。

デュナーミクを長引かせ、じわじわと積み上げられる緊張感がすごい。

いい意味でショパンではの甘美な部分がねちょんねちょしすぎない、ミニマルで白黒グレーをはっきりさしたおしゃれな感じでもありました。変な話、ショパンコンクールとかなってくると、日本人でショパン弾くにはこちら方面で攻めた方が審査員の心に響きやすいなあとも感じました。(言い方すみません;)ヨーロッパ特にポーランド音楽を歌わせるって、現在に生きる日本人気質ではいくら努力しても掴めない部分ってあると思います。

愛実さんのシューマンの「子供の情景」ではショパンコンクールのプレリュードを思い出させてもらえました。一音一音の音もそうですが、音の消えゆく間の美しさに魅了させられっぱなしで、芸術性を大いに感じられました。

からのアンダンテスピナートで全体的な構成力がブラボー。

終わってから感動が忘れられなかったです。

またこういう芸術的な感動を体験できるコンサートに行きたいものです。

みなさんの体験談もあればコメントくださいね♫

プログラムはこちらでした。

シューベルト:即興曲集 D935 op.142

モーツァルト:幻想曲 ニ短調K.397

シューマン:子供の情景op.15

ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズop.22

冒頭でお話しした小林愛実さんのショパンプレリュードはこちら♫

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