ピアノが上達するための基礎はどこにあるか?
ピアノ上達にはテクニックに集中するよりも、
耳と頭も同時にバランスよく育てて行くべきだとお話ししました。
ソルフェージュで音感がつくレッスンは大事な理由もそのためですが、
ソルフェージュというのは、そもそも、
ピアノを弾くときに耳を使うことを学ぶのが本当の目的ですので、
指導は総合的に関連を持ってなされるのが望ましいです。
総合的な指導とは何か
アメリカで展開された「現在音楽教育案」ではこう書かれておりました。
「音楽の基礎教育におけるかく構成要素は、全て直接関連を持つべきである。
例えば、音楽理論と音楽史、
耳の訓練と書き取り、分析演奏、視唱と指揮が関係を持つことである」
近年フランスでは「ソルフェージュ」という科目が
「フォルマシオン:ムジカーる」という名前に改められ、総合的な内容に変化しています。
近年ではさらに、ヨーロッパ、アメリカ、ロシアの教育において、差はあるものの、
包括的にピアノを学んで行くということに関しての教材をみるかぎり、共通するところがあるのはこちらです。
1総合的な指導を目指している。
2教材として実際の楽曲を用いる。
3いろいろな楽器による聴音をする。
ただピアノを弾くレッスンは少なくとも、昔からヨーロッパでは行われていないです。
クララシューマンがピアノを弾くだけではなく、理論や作曲の勉強を十分にしていたことが知られています。
ピアノ上達のコツでも何度か書きましたが、具体的に、この3つをレッスンでは気をつけるべきです。
1ソルフェージュを重視する。
2色々なスタイルの楽曲を与える。
3理論的なことを、感覚と結びつけて実践しながら理解させる。
この三つを念頭におくと、
本当に音楽をわかって弾くためにはどうしたら良いか
→ピアノが上達するための基礎はどこにあるのか
がおのずと見えてきます。