. Piotr Alexewicz(Poland)
リズム感と音楽の流れがとても好み。ノクターンは極上。
この方のマズルカを本当に聴いてみたくなる。
どこかJakub Kuszlikを思い出す。
ポーランドのピアニストたちの曲づくりは、やっぱりどこか“芸術的”で、“おしゃれ”。
単に音楽的というより、音に美意識がある。
リズムの取り方、音の間合い、その全てがポーランドらしい感性。
超絶技巧とは違う、洗練された香りのするショパン。88点
2. Adam Katdunski(Poland)
バラードが絶品。独特でおしゃれ。
まるで古いグランドピアノを前にしているような、どこかノスタルジックな響き。
ペダルを控えめに使い、音を過剰に響かせず、テヌートぎみに終わらせる感覚がかっこいい。
曲の切り替えや和音、中間部のカンタービレで、音というより“芸術”そのものを聴かせる。
リズム感と間の取り方、そして「歌い方」。
テクニック的に易しい箇所ほど音楽性が光る。
そういう瞬間に出会うと嬉しくなる。95点
3. Xiaoxuan Li(China)
左手のピアニッシモが信じられないほど美しい。
その繊細な音色に、小林愛実さんを少し思い出した。
音量の幅を最大限に使い、静寂の中で感動を生むタイプ。
間の取り方も巧みで、聴く側に“緊張感”と“ゾクゾクする集中”を与えてくれる。
聴き手に覚悟を求めるような、知的なショパン。74点
4. Philipp Lynov(Russia)
最初の音から惹き込まれた。
ノクターンの美しさに息をのむ。
音の一つ一つに品があり、安定感と安心感がある。
ワルツもとろけるように美しく、決して濁らない。
“絶対に汚い音を出さないピアニスト”という言葉がぴったり。
大御所のような貫禄さえある。
バラードでのわずかな音外しが惜しいけれど、全体は本当に芸術的。
また聴きたい。93点
5. Ruben Micieli(Italy)
独特でスタイリッシュ。
ドライなショパンだけど、きちんと歌っている。
間のとり方が上手で、焦らず落ち着いて流すタイプ。
音の粒や弱音に頼らず、構築で聴かせるショパン。
時に乾きすぎる瞬間もあるけれど、音楽は常に繋がっている。
深いおしゃれさを感じる。
6. Yehuda Prokopowicz(Poland)
木枯らしのエチュードが最高におしゃれ。
極端に小さくしたり、左手を強調しすぎたりせず、すべてが音楽的。
「音楽的」という言葉をこの一週間で何度言ったか分からないけど、
それでも言いたくなるほど。
今大会で一番好きな木枯らしかもしれない。
ワルツの最後では思わず「かっこいい!」と声が出た。
最後の和音の決め方がまた絶妙で、その前の流れがあってこそ映える。
予想外のタイミングでキラッと光る和音に鳥肌。
音楽を“作っている”という感覚が全身から伝わる。
ポーランド人の良いショパンって、まさにこういうこと。
ショパン的定型に頼らず、リズム感の中で自然に呼吸している。
間と音の出し方が本当に音楽的で、
“取ってつけたショパン”ではなく、
芸術そのものに陶酔できる演奏。
特に幻想ポロネーズの中間〜終盤に向かう部分、
四分音符の和音の間の取り方にノックアウトされた。
真似したくてもできない。
感動の100点。
7. 進藤みゆ さん(Japan)
安定感のあるショパン。
“ミスする”という概念がそもそも浮かばないほど整っている。
16分音符の粒立ちが本当に美しく、
バラードも全体を通して安定感と透明感がある。
彼女の演奏には雑さがまったくない。
それでいて、終盤にはちゃんと情熱を感じる。
静かに心が熱くなるショパン。
品があって、凛としている 90点
自分メモをシェアさせていただきました。
ピアノスクールかなで カナ
