ショパンコンクール4位 Jakub Kuszlikさんの上手さ 極上のマズルカ

ピアノスクールかなでのカナです!今日はJAKUB さんの感想を述べていきます。

まさに“ショパンの魂”を感じさせる演奏。
哀愁が漂い、誰にも真似できないポーランドのリズム感が息づいてる。

ハンドライティングのアルファベットや数字を、西洋人が書くと日本人のものとまったく違って見える──
あの感覚に少し似ている。
どれだけ練習を重ねても、完全には再現できない「書き癖」と「リズム感」。
彼のマズルカには、その“生まれ持ったショパン感”がある。

音量のバランスやスキルの高さに感嘆する演奏は多いけれど、
「ショパンを感じる演奏」とはまた別次元の話だと思う。
Jakobのマズルカには、リズムと間の取り方の隅々にまで自然な流れがあり、
その中に深い哀愁が息づいている。

右手の歌わせ方が本当に上手で、全体が美しく流れているのがありがたい。
ファンタジアやソナタでもその“歌わせ方”が光る。
フォルテとピアニッシモのコントラストやルバートを乱用するタイプではないけれど、
その自然さこそが魅力で、彼のショパンには飽きがこない。

大曲の中でふと現れる中間部──
あのショパンらしいカンタービレの瞬間は、まさに極上。
そこだけ切り取って、ずっとリピートしていたいほど美しい。

音色がどうこうという次元ではなく、
“ショパンの世界そのもの”に惹き込まれる音楽。
それは「音が流れている」からこそ成立する。

フレーズごとに音色を整えるピアニストはたくさんいるけれど、
ショパンを退屈させず、最後まで音楽を呼吸させ続けるのは本当に難しい。
どれほどテクニックや構成力があっても、
ルバートやアクセントを不自然に入れて流れを断ってしまえば、
音楽は“止まってしまう”。

審査員が圧倒的なテクニックを無視できないのもわかる。
でも、心の奥で本当に響くのは、
このJakobのように“ショパンの時間”を自然に流す人だと思う。

ピアノスクールかなで カナ

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