ショパンコンクール2次予選3日目の感想。
◎ YEHUDA PROKOPOWICZ(Polska / Poland)
一次のときと同じく、とても安定していて上手。
でも「安定している=退屈」ではまったくなく、音の流れが自然で心地いい。
一音一音が生きていて、聴いているうちに時間を忘れてしまう。
また聴きたいと思わせる人のひとり。
95
Hao Rao
テクニックはあるけど、音の密度が高くて少し耳が疲れる。
聴いていて落ち着ける感じではなかったかな。
⸻
◯ 進藤実優さん
圧倒的なテクニック。
音がきらきらしていて、左手の支えも本当にしっかりしている。
コントロールの精度が非常に高く、安心して聴ける演奏。
ただ、ショパンとしては少し現在の“お手本”のように整いすぎていて、意外性や詩のような自由さは感じにくかった。
好みではないけれど、音楽的なメリハリ、技術的には完璧に近く、三次には進むと思う。
83
◎ GABRIELE STRATA(Włochy / Italy)
「こんな人いたんだ」と思うくらい、印象に残る演奏。
音がとても芸術的で、柔らかくて、聴いていると心がやさしい気持ちになる。
フレーズの終わり方が丁寧で、全体に落ち着いた空気が流れている。
焦りも力みもなく、まるでコンクールではなく彼のリサイタルを聴いているよう。
普段あまり好きではないスケルツォ2番も、彼の演奏だとノクターンのように自然で美しい。
ずっと聴いていたくなるようなショパンだった。
95
カナ