ピアノスクールかなでのかなです!
今日は、「一度できたはずのことが、次の週にはできなくなってしまう子」とのレッスンについて書いてみます。
レッスンをしていると、
「この前すごくうまくいってたのに、なんで今日は…?」
と思う瞬間があります。「前はできてたのに…」が起こるときです。
たとえば、先週はよく弾けていたフレーズが、
今日はなぜかリズムがバラバラになってしまったり、指遣いが乱れてしまったり。
こちらとしては「え、どうしたんだろう」と戸惑ってしまうこともあります。
でも実は、これはピアノに限らず、学びのあるあるです。
特に子どもは、“できた瞬間”と“定着した状態”は違うということを、いつも自分に言い聞かせています。
一度できたことは、そこで終わりではなく、
何度も繰り返して初めて“身についた”になる。
だから私は、
その子が前にできていたことを**「その時どうやって弾けたのか」一緒に思い出す時間**をとるようにしています。
たとえば、
「先週はどんなふうに練習してた?」
「この指使い、覚えてたかな?」
と、答えを教える前に、記憶を引き出すように声をかけます。
そして、レッスンの最後にはいつも通り、
今日注意されたことを自分の言葉で書かせて振り返る。
この“書いて覚える”という作業が、毎週じわじわと効いてくるんです。
それでも次の週に忘れていたら、もう一度一緒に書き直す。
責めるのではなく、
「学びってそういうものだよ」と伝えるようにしています。
一見、後戻りしているように見える子も、
その中でちゃんと考えている。
気づける力や、悔しい気持ち、諦めたくない気持ちが育っている。
自分でどうしたらいいか考えはじめる瞬間は学びで価値ある部分です。
自身も長く続けてきたピアノ、語学勉強で経験済みですが、一気に順調に良くなることが逆にすごくて、できない期間もあります。とーくに、8歳くらいまでの子供はそれが長期でありがちで、お母さんからもどうしたことかと相談が多いですが、ほとんどの方が、9歳くらいで一気に前まで困難だったことを一気に克服できるパターンが多いです。しかも小さい頃から間違っていても注意され、積み重ねてきているので定着感が深いです。
音楽は、毎回同じようにはいきません。
だからこそ、「またできるようになる」経験の積み重ねが、心の強さにつながるんだと感じています。
かな