こんにちは♪「ピアノスクールかなで」のピアノ講師かなです♪
今月はコンサートチョソンジンのピアノリサイタルに行ってきました。チョソンジンさんは浜松コンクールや、ショパンコンクール2015年に優勝しており、世界的にも有名なピアニストさんです^_^
私は2015年のガラコンサートでも一度コンサートに行かせていただいたのですが、その時はショパンオンリーで特に心に残った曲がポロネーズでした。彼のショパンはノクターンやプレリュードのような曲に特に感動するわけではなく、ポロネーズやバラード1のようなどちらかというと、形式ばった元気でドラマティックで技術的に難しい曲の演奏のテクニックの完璧さに驚かされます。や、そんな言い方ショパコン一位の彼に対して失礼ですね。もちろん機械的だと言いたいのではないです。彼の世界観があって派手でエネルギッシュなアクセント、テンポに超絶技巧がついてくる上で繊細さがちゃんとあります。ショパコン一位の人はみなさん超絶技巧がサリアルです。
さて、今回はガラッと曲が変わりラベル一色でした。
ラベルの中でも有名曲を弾いてもらったかと思います。彼はラベル弾きやこの年代の音楽にピタッと当てはまっているなとしみじみ感じられました。とにかく超絶技巧がすごい。ショパンのようにメロディのニュアンスが必要な曲より、ラベルのようなコンテンポラリー的な音一音にニュアンスが必要な近代曲にぴったりの音色。小さい音でそれもppp-pp-pを行き来するひたすら早く弾くパッセージの上手なこと。上手というには勿体無い、これぞ超絶技巧。これってこのプログラムを弾きこなそうとすると相当なプロでも雑になってしまうのがオチなのですが、彼のテクニックは衰えを知らず。そしてラベルらしい突然くるフォルテなどの鋭い音がまたすごい。私は後ろの方でしたがピアノってこんなに音量でるの?ってくらいすごい迫力でせまってきます。もうそれはこの時代の印象派のイメージそのもので、水、空気、光など瞬間瞬間で繊細に景色を描いてみせてくれました。終わった後もスタンディングオベーションがとまりません。
ただ、私正直いうとすごい疲れました。。。苦笑 休憩まではこのテクニックに圧倒さ「すごい」と言う感じでしたが後半別の心にぞくっとくるものを期待していたのもあったのか、最後までこの「すごい」感覚とフォルテの大きさと間のなさに疲れ切ってしまった。。。若い頃だともっと楽しめたのかもしれない。今求めている音楽は彼の演奏ではない。。本当あのフォルテのたたくような弾き方と(タイプによってはおしゃれになるのかもだが)間を感じられない演奏に疲れてしまった。間を上手に使うって想像以上に大事。間で上手に音楽を作りあげるって想像以上に大事で心地よいものです。彼の歌わせ方が私の好みではない。年齢があがるにつれ好みってかわりますね。
そんなこんなで疲れましたが、小さな細かい動きのところのすごさは本当に聞き心地がよかったしやっぱりすごいです。ただ総合的にタイプではない。勉強をさせていただきました。
こちらがプログラム
<オール・ラヴェル・プログラム>
グロテスクなセレナード
古風なメヌエット
ソナチネ
鏡
夜のガスパール
高雅で感傷的なワルツ
クープランの墓