音楽的に弾けるようになる練習方法1
リズムが大事というお話は前回いたしました。
今日はリズムの中でも特に大事な拍子を感じて練習する具体的な方法です。
下の三拍子のバッハの楽譜を例にとってみると、
よく聴く演奏が、ウンウンと数えているような弾き方をすることが多いのです。
これでは4分の3拍子ではなく、1拍子になってしまいます。
3拍子には3拍子の
4拍子には4拍子の「動き」があって、それが拍子感ーリズムに繋がるのです。
3拍子を例にとってみると、各3拍子が同じような「動き」と「方向性」を持っているというと、そうではないと思います。
拍子の第一拍は下拍、最後の拍は上拍と呼ばれます。
これは指揮をするときに、第1拍は手を振り下ろし、最後の拍はイッパクに備えて手を振り上げるという手の動きから来たようですが、実際の音楽における各拍の性格も、こうした「動き」において捉えて良いと思います。
特に大事なのは、第1拍に入る前の拍(3拍の後)です。
私が教えていると、子供は特に一拍目を意識し、そこだけ極端に強く弾いたりしますが、
大事なのはその前なのです。
音楽的であるためには、イッパクめを準備する段階であるアナクルーシスを意識する方が大切なのです。
アナクルーシスとは、アクセント(物理的に強い拍という意味でなく、「音楽のリズム構造」という本でクーパーがいうところのリズムグループの中核となる音)の前にあって、アクセントを準備する音、またはグループです。
アウフタクトもその一種です。
もっと音に乗せやすいイメージとしては、
棚に何かをそおっと置くイメージをして見てください。
音形によりあげたり下げたりあると思います。
そのとき、いつ一番エネルギーを使いましたか?
そおっとおいた瞬間はもちろんですが、ものを持ち上げる瞬間ですよね?
パソコンもクーラーの電源もそう、何かを起動しようとするとき一番エネルギーを使うんですね。
- そんなことをイメージし、一度ゆっくり片手ずつ弾いて見て下さい。
- ゆっくり出ないと、そんなことイメージしてる暇はないと思います。
- そのあと、強弱一拍目mf 、二拍目mp、三拍目p くらいの強弱をつけてみる。
こういうことを最初からわかってやっているかどうかで、
弾き方はもちろん、音楽の聞き方まで変わって来ます。
次回はリズム練習方法2をご説明します。